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高気圧酸素療法のご案内

高気圧酸素療法とは

高気圧酸素治療とは圧力をかけた装置の中で高濃度の酸素を吸入する治療法です。この治療を受けて頂くことにより、普通の酸素吸入より多くの酸素が体の中の各組織に送られます。脳の疾患だけでなく、全身の各科疾患にも適応があります。

主な効果としては

  1. 1.体内(血液中)の酸素量を増加させ、生体内の低酸素症の改善効果
  2. 2.酸素の抗菌作用を利用し、細菌の発育を阻害する抗菌効果
  3. 3.生体内にできてしまった気体を圧縮し、再溶解することにより末梢循環の改善をし、組織の浮腫を軽減させる生体内気体の圧縮・溶解効果

などがあります。

当院の設備は1.3気圧までしか上げられない個人用(酸素カプセル)と比較して2.8気圧まで上げられる点や安全性の面でも能力的にも数段勝っており、捻挫・靭帯損傷等急性外傷による腫れ軽減に有効で、肉離れ等にも治療効果が期待されています。

当院では捻挫・肉離れ等スポーツ軟部外傷に対して、積極的に高気圧酸素療法を施行しております。スポーツ医療にて高気圧酸素治療を受けられる方は保険適用外となり自費診療となりますのでご注意ください。

また、高気圧酸素治療を受けるにあたり、1回の治療費が高くなりますので高額療養費制度をご利用をお勧めいたします。

対象となる疾患について

日本高気圧環境医学会安全基準(2004年)

救急的適応疾患

  1. 1)急性一酸化炭素中毒及び間歇型一酸化炭素中毒並びにこれに準ずる中毒症
  2. 2)重症感染症(ガス壊疽等)
  3. 3)急性脳浮腫(重症頭部外傷,開頭術後若しくは急性脳血管障害を原因とし,他覚的に脳浮腫を認めたもの)
  4. 4)急性脊髄障害(重症脊椎外傷,脊椎又は脊髄術後若しくは急性脊髄血管障害を原因とし,他覚的に急性脊髄性麻痺を認めたもの)
  5. 5)急性動脈・静脈血行障害
  6. 6)急性心筋梗塞
  7. 7)重症外傷性挫滅創,コンパートメント症候群,重症外傷性循環障害
  8. 8)空気塞栓症
  9. 9)腸閉塞(急性麻痺性及び癒着性腸閉塞) 
  10. 10)重症熱傷および重症凍傷(Burn Index 15以上の熱傷並びにこれに準ずる凍傷)
  11. 11)網膜動脈閉塞症( 網膜中心動脈及びその分枝閉塞を確認したもの)
  12. 12)重症の低酸素性脳機能障害
  13. 13)突発性難聴
  14. 14)顔面神経麻痺
  15. 15)減圧症

非救急的適応疾患

  1. 1)遷延性一酸化炭素中毒
  2. 2)難治性潰瘍並びに浮腫を伴う末梢循環障害
  3. 3)皮膚移植後の虚血皮弁
  4. 4)慢性難治性骨髄炎
  5. 5)放射線(障害)性潰瘍
  6. 6)重症頭部外傷又は開頭術若しくは脊椎・脊髄手術後あるいは脳血管障害後の運動麻痺及び知覚麻痺
  7. 7)難治性脊髄・神経疾患
  8. 8)放射線治療又は抗癌剤治療と併用される悪性腫瘍
  9. 9)熱傷及び凍傷

治療体制について

治療体制 通常の治療時間 9:00~17:00(土日、祝祭日以外を含めて毎日)
治療機器 第1種装置 BARMED 1台(米国 ETC社製)
1日の予定治療件数枠 4件

・基本治療内容

治療時間 1時間40分(加圧20分+治療60分+減圧20分) 2気圧
治療回数 症例に応じて決定